今後の研究予定は?


今後の研究予定は?

進む「がんペプチドワクチン」の臨床試験

進む「がんペプチドワクチン」の臨床試験 現在、数十件の「がんペプチドワクチン」の臨床試験が行われており、早ければ先行する すい臓がんの「がんペプチドワクチン」の臨床結果が、今年の年末か来年の年初には発表 されるかもしれません。
また、順次、肺がんや悪性脳腫瘍や前立腺がんなどの臨床結果が出て来る筈です。
従って、これらの臨床試験は結果を待つより他にありません。
そこで、今後の「がんペプチドワクチン」研究の方向性がどちらの方向に向かうのかは、 がん患者にとっては大いに興味があるところです。

厚生労働省の高度医療評価会議

厚生労働省の高度医療評価会議 昨年8月に厚生労働省の高度医療評価会議は、国立がんセンター中央病院が申請した「切 除不能・再発胆道がんを対象としたゲムシタビン+シスプラチン+WT1ペプチドワクチン 併用化学療法」の臨床試験を高度医療として承認しました。
厚生労働省が高度医療として承認した場合には、指定された病院は特定承認保険医療機関 として承認された高度医療を実施できる他、高度医療の一部が保険診療となります。
「がんペプチドワクチン」の今後の研究の方向性の1つの例として、この事例は非常に参 考になります。つまり、抗がん剤と「がんペプチドワクチン」を組み合わせた治療だから です。
同様に、久留米大学の「テーラーメード型がんペプチドワクチン」治療では従来の抗がん剤 と「がんペプチドワクチン」を組み合わせることで効果を上げていますが、今後、その様 な取り組みが増えていくと思われます。

公的研究費で行われる新しい臨床試験

公的研究費で行われる新しい臨床試験 独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センターでは、公的研究費で行われる新 しい臨床試験を公表しています。2012年4月以降に開始された「がんペプチドワクチン」 関連の臨床試験は8件が公表されています。
いずれも地方大学の「がんペプチドワクチン」関連の臨床試験であることが特長で、「がん ペプチドワクチン」の臨床試験の裾野が広がっていることを示しています。

2012年以降に新たに公的研究費で行われている「がんペプチドワクチン」の臨床 試験 これらの2012年以降に新たに公的研究費で行われている「がんペプチドワクチン」の臨床 試験は、次の3つのパターンに分類できます。
1つ目は新規のがん症例を対象にした「がんペプチドワクチン」の臨床試験です。
2つ目は「がんペプチドワクチン」と従来の抗がん剤を併用する臨床試験です。
そして、3つ目は、がんの再発を抑えるために「がんペプチドワクチン」を使うための臨床 試験です。
これらは、臨床試験で先行する東京大学医科学研究所や久留米大学の臨床試験でも行われ ている症例ですが、今後の「がんペプチドワクチン」の臨床研究の1つの方向性を示して いると言えます。