研究が先行する「すい臓がん」


研究が先行する「すい臓がん」

すい臓がんの特長

すい臓がんの特長 すい臓がんはすい臓に発生する悪性腫瘍で早期発見が難しく進行が早いことで、がんの中 でも極めて予後が悪いがんの1つとされています。
すい臓がんは男女ともにがんの死因別では5位に位置するがんですが、年々増加する傾向 が顕著です。すい臓がんの危険因子とされる喫煙・飲酒・肥満は他のがんと同様ですが、糖尿病がすい臓がんの危険因子ということが1つの特長と言えます。
すい臓がんの特長は殆ど無症状の中でがんが進行することで、多くは進行してから人間ド ックやCTや超音波検査で偶然発見されることが多いのが特長です。
がんが進行すると腹痛や体重の減少、末期になると黄疸や糖尿病が悪化することもありま す。
従って、すい臓がんは末期で発見されることが多く、「がんペプチドワクチン」の臨床試験 に参加できる要件の1つが末期がんであることから、臨床試験ですい臓がんの症例が先行 している一つの理由とも考えられます。

すい臓がんの臨床試験

すい臓がんの臨床試験 すい臓がんの臨床試験は、最も先行していたオンコセラピーサイエンス鰍フ「OTS102エル パモチド(すい臓A)」が2012年2月に最終段階まで終了しましたが、残念ながら生存期 間を延長することが統計学的には認められませんでした。
つまり、「OTS102エルパモチド(すい臓A)」は新生血管阻害作用を期待したがん治療用ワ クチンで、がんの病巣のがん細胞を直接攻撃するタイプのがん治療用ワクチンではありま せん。言わば、がん病巣のがん細胞に栄養分を供給する血管を攻撃して、がん細胞を兵糧 攻めにする戦略でした。
また、東京大学医科学研究所が臨床試験を行っている「がんペプチドワクチンすい臓B」の臨床試験では、末期がんが消えたという驚くべき薬効も報告されており今後の臨床試験結果が期待されます。

「がんペプチドワクチンすい臓B」の臨床試験 現在、「がんペプチドワクチンすい臓B」の臨床試験は第3相臨床試験中盤に差し掛かっており、東京大学医科学研究所の「がんペプチドワクチンすい臓B」の臨床試験が厚生労働省の「最先端医療開発特区」に認定されていることも考え合わせると、最も早く実用化されるとすれば2014年前半が考えられます。