東京大学医科学研究所


東京大学医科学研究所

中村祐輔シカゴ大学教授

中村祐輔シカゴ大学教授 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センターの中村祐輔元センター長(現在はシカゴ大学教授)は、「がんペプチドワクチンTRネットワーク」の代表で、その研究グループには東京大学/久留米大学/札幌医科大学/国立がんセンターなど59施設が参加し、すい臓がん・食道がん・大腸がんを始め13種類のがんに対する臨床研究に合計900人以上の患者が参加しています。
そして、その研究グループが厚生労働省の「最先端医療開発特区」に認定されたことは既に述べました。「がんペプチドワクチン」開発のキーマンである東京大学医科学研究所の中村教授は、もともと、がんの臨床外科医でした。
中村教授は臨床外科医として、がん患者を診察しながら多くの疑問を持ったと言います。
それは「何故がんができるのか?」「何故がんが急に進行する患者とそうでない患者がいるのか?」「抗がん剤が効く患者と効かない患者がいること」「強い副作用に苦しむ患者がいること」などの疑問でした。
そこで、中村教授はがんの根本的な原因の解明に挑む気持ちが強くなり、遺伝するがんの原因を見つける研究を始めました。そして、十数年間、がんを抑える遺伝子を中心に研究しましたが、がんの診断には使えても治療には使えないことが解ってきました。
そこで、軌道修正してヒトの遺伝子やゲノムを調べてがん細胞を作るのに決定的な役割を果たしている遺伝子を見つけて創薬を目指しました。

オンコセラピーサイエンス椛n立

オンコセラピーサイエンス椛n立 その出口の1つが「がんペプチドワクチン」として成果が出てきました。
そこで、中村教授は大学発のベンチャー企業であるオンコセラピーサイエンス鰍創立して、「がんペプチドワクチン」研究を行ってきました。
「がんペプチドワクチン」の末期がんに対する効果は驚くべきものがあります。
従来の治療法に見放された末期がん患者のがんが消えた訳ですから、効果があることは間違いありません。
只、現在はワクチンが効く患者と効かない患者がいますから、効く患者の割合を如何にして高めるかが大きな課題と言えます。
また、がん患者の2人に1人は再発していますから、がんの再発を抑える観点から「がんペプチドワクチン」は有効な治療薬となると中村教授は考えています。
更に、「がんペプチドワクチン」以外にも飲み薬や低分子化合物などのがん治療薬も開発中です。