末期がん患者に希望を与える「がんペプチドワクチン」


末期がん患者に希望を与える「がんペプチドワクチン」

がん難民

がん難民 がん難民という言葉は、「がんペプチドワクチン」開発の第一人者と言われる東京大学医科 学研究所ヒトゲノム解析センターの中村特任教授(現シカゴ大学教授)が使い始めた言葉 です。
以前、東京大学病院の放射線科が行った調査によりますと、末期がんと診断された患者の 80%は最後まで治療を諦めてはいないそうです。
しかし、これに対して最後まで治療を提供したいと考えている医師は20%という結果です。
つまり、このギャップの60%は、患者は治療を希望しても適切な治療が無いという悲惨な 状況を表している訳です。
中村教授はこの状態を「がん難民」と呼んでいるのです。中村教授によりますと、「がん難民」 を減らすには2つの対策があると言います。

1つはがんの新しい治療法を試みる機会をたくさん提供することです 1つはがんの新しい治療法を試みる機会をたくさん提供することです。つまり、末期がん患 者が希望すれば新薬の臨床試験に参加し易くする仕組みを作るということです。
そして、2つ目は再発させないということです。
従って、この2つの対策のキーになるのは、「がんペプチドワクチン」かもしれません。
現在、我が国では年間で60万人〜70万人ががんと診断され約34万人ががんで亡くなって います。つまり、1日に1,000人が、がんで亡くなっているのです。

患者を再発とがんの苦痛から救う 仮に「がんペプチドワクチン」で1/3のがん患者の再発を遅らせることができれば、数万人〜 10万人単位で患者を再発とがんの苦痛から救うことができるのです。

簡単な治療で費用も安い「がんペプチドワクチン」治療

簡単な治療で費用も安い「がんペプチドワクチン」治療 「がんペプチドワクチン」治療が末期がん患者に希望を与えているのは、末期がんが消えた という驚くべき薬効は勿論ですがそれだけではありません。
仮に「がんペプチドワクチン」治療が夢のがん治療法として将来実用化されたとしても、費 用が庶民の手の届かない高額な医療費が掛かる治療であるならば人々に希望を与える治療 とは成り得ません。
しかし、現在の臨床試験段階の費用を見ても、「がんペプチドワクチン」治療は高額な治療 ではありません。現在は1回の皮下注射が10万円程度で、1クール50万円〜60万円程度 の費用です。これを何クールかやる訳ですから決して安い費用ではありません。
しかし、実用化された場合はワクチンの費用は下がりますし保険適用されるかもしれませ んから、庶民が払えない金額ではありません。

「がんペプチドワクチン」治療は原則として1週間に1回、皮下注射を打つだけ また、「がんペプチドワクチン」治療は原則として1週間に1回、皮下注射を打つだけの簡 単な治療ですから入院の必要はありません。
一方、現在の末期がん患者が末期に至るまでに入院や手術や放射線や抗がん剤で掛かる費 用は、保険適用の治療の自己負担分だけでも年間100万円程度と言われています。
末期がんの場合は、その様な治療を数年間続けている訳です。
従って、がん患者が「がんペプチドワクチン」治療に寄せる期待と希望の大きさは計り知れ ないことが解ります。