ワクチンが効く人と効かない人がいる


ワクチンが効く人と効かない人がいる

「がんペプチドワクチン」療法の仕組み

「がんペプチドワクチン」療法の仕組み 「がんペプチドワクチン」療法の鍵は「がん細胞上の白血球抗原上に結合するアミノ酸(ペプチド)が患者のキラーT細胞から攻撃されること」と「ワクチンとしてペプチドを投与するとキラーT細胞が増殖すること」と「キラーT細胞はがん局所へ侵入してがん細胞を殺傷すること」です。
つまり、この3つの鍵を組み合わせた療法が「がんペプチドワクチン」療法なのです。
従って、「がんペプチドワクチン」療法の仕組み上「がんペプチドワクチン」が有効な人と有効ではない人に分かれているのが現状です。

「がんペプチドワクチン」療法には、キラーT細胞が増殖することが不可欠なのです。 つまり、「がんペプチドワクチン」療法には、キラーT細胞が増殖することが不可欠なのです。

白血球とリンパ球

白血球とリンパ球 白血球は血液に含まれる細胞成分の1つで、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物の排除と腫瘍細胞や役目を終えた細胞を排除する役割を担っています。
通常、白血球はリンパ球・好中球・好酸球・好塩基球・単球の5つに分類されます。
そして、白血球の20%〜40%を占めるリンパ球は、ウイルスや腫瘍細胞に対しては中心となって攻撃を繰り返します。
そのリンパ球はNK細胞とB細胞とT細胞に分類されます。
つまり、このNK細胞とB細胞とT細胞は「がんペプチドワクチン」療法の重要な鍵を握る細胞と言えます。抗体生産に関わるのがB細胞とヘルパーT細胞で、ウイルスや腫瘍細胞の破壊を行うのがキラーT細胞とNK細胞だからです。
従って、「がんペプチドワクチン」療法には、B細胞とヘルパーT細胞とキラーT細胞とNK細胞を含むリンパ球が不可欠なことが解ります。

「がんペプチドワクチン」投与可能なリンパ球数

「がんペプチドワクチン」投与可能なリンパ球数 「がんペプチドワクチン」療法にはB細胞とヘルパーT細胞とキラーT細胞とNK細胞を含むリンパ球が不可欠なことは前項で説明しましたが、抗がん剤を使ったがん患者の場合はリンパ球数が極端に低くなっている場合があります。
リンパ球数が極端に低くなっているということは、「がんペプチドワクチン」療法に不可欠なB細胞とヘルパーT細胞とキラーT細胞とNK細胞が少ないことを意味します。
つまり、リンパ球数が極端に低くなっている場合には、「がんペプチドワクチン」が有効ではないことが既に解っています。
従って、久留米大学などでは、1mm立法当たりで1,000個以上のリンパ球が確認されることを、「がんペプチドワクチン」療法受ける基準としています。
何故なら1mm立法当たりで1,000個以上のリンパ球が確認できない患者の場合は、「がんペプチドワクチン」の臨床効果が全く得られなかったからです。