抗がん剤によるがん治療


抗がん剤によるがん治療

「抗がん剤による化学療法」の効果

「抗がん剤による化学療法」の効果 がんの手術による「外科療法」の歴史は約100年、「放射線療法」の歴史は約50年ですが、「抗がん剤による化学療法」の歴史は未だ35年ほどしか経っていません。
抗がん剤はがん細胞を死滅させる薬を意味します。
現在、種々様々な抗がん剤が開発され、臓器やがんの進行度によって使い分けられています。また、がんが発生した臓器やがんの進行度によって、複数の抗がん剤を併用することも多くなっています。複数の抗がん剤を併用することで、より抗がん効果を強め副作用が少なくなる様に考えられています。
しかし、現実の治療に於いては、抗がん剤でがんが簡単に消える訳ではありません。
がんの進行を食い止めがんの病巣が小さくなれば良い方で、抗がん剤を飲んでも殆ど目に見えた効果が得られない場合も多いのです。
それでは一体何を持って抗がん剤が「有効」と判断すれば良いのでしょうか?
現在、医学上の定義では、画像診断上でがんの面積が半分になるか直径で7割以下に縮小する状態が4週間以上継続すれば、抗がん剤が「有効」と判断されています。

抗がん剤は「有効」 つまり、4週間でがんが縮小すれば、例え、その後、再びがんの病巣が元に戻ったとしても抗がん剤は「有効」だったことになります。

患者の立場に立った判断 しかし、これは患者の立場に立った判断とは言えません。
そして、もう一つの注意点は、抗がん剤の「奏効率」です。例えば、抗がん剤の「奏効率」50%は、一見、抗がん剤によってがん細胞が死滅した割合の様な印象ですが、そうではありません。抗がん剤の「奏効率」50%は、抗がん剤が「有効」と判断される人が50%居るという意味なのです。

抗がん剤のタイプ

抗がん剤のタイプ 現在の抗がん剤は大別すると次ぎの様な3つのタイプに分けることができます。
1つ目は、がん細胞のDNAが増えないよう細胞に直接作用するタイプで、抗生物質・アルキル化剤・プラチナ製剤・植物アルカロイド・代謝拮抗薬などの抗がん剤があります。
2つ目は、がん細胞の増殖に必要な様々な酵素やレセプターに働きかけるタイプで、ホルモン剤や分子標的薬などの抗がん剤があります。
そして、3つ目は、免疫によるがん細胞の攻撃を強化するタイプで、インターフェロンや免疫賦活剤などの抗がん剤があります。